第3回 ジョイント





今回はジョイントについて詳しく説明したいと思います。





ジョイント

キュー(シャフトとバット)を繋ぐ螺子がある部分のこと。

これによって、キューの性能(打球感等)が決まると言って良い

重要な部分なので、各メーカーが一番拘っている所であるとも

言えます。







良いと言われるジョイント


1ピースキューの様に、ジョイントの存在を感じさせない

(ダイレクトな打球感が得られる)ものが良いと言われて

います。


また大部分のメーカーは、上記を目標に試行錯誤して

いる様です。









ジョイントの各部名称





★ ジョイントカラー


バット側にあるシャフトとの接合部のことを指します。


ジョイントの強度を上げる為や、フォアアームにかかる

衝撃を緩和させる為に、組み込まれています。


材質

金属(ステンレスや真鍮等)、象牙、樹脂、木材など。





★ ジョイントリング


シャフトとバットの両側にあり、装飾やシルバー等のリング

が入っている部分を指します。


シャフトやバットを衝撃から守る為や、製作作業の便宜の

為に(主に糊付けに関する)組み込まれています。


材質

木材、樹脂など

またリング細工には金や銀などの貴金属や象牙などが良く

使われています。





★ ジョイントピン


ネジの雄側を指します。









ジョイント形式


雄ネジ・雌ネジの接合形式で大きく2つに分けられます。





★ パイロッテッド(凹凸がある)


柔らかい打球感でキレがあると一般的に

言われています。





主要な種類





5/16インチの14山


代表的なメーカー

ジョス ・ ジナ など。


キューの芸術作品と言われた『バラブシュカ』から始まり

広まった形式。


高級カスタムメーカーの中には頑なに使い続けているメー

カーもあり、その歴史に裏づけされた創意と工夫には大変

素晴らしいものがあります。





ユニロック


代表的なメーカー

プレデター ・ デールペリー など。


ある意味、ジョイントの最終系とも言われている。


また、シャフトとバットの脱着が速く行える利点もある。





ウルトラジョイント

ランブロス特有のジョイント。









★ フラットフェイス(水平)


硬い打球感でパワーがあると一般的に

言われています。


また、雌ネジが直接シャフトに彫られている

ことが多い。





主要な種類





5/8インチの10山


代表的なメーカー

マクダーモット ・ マクウォーター など。





5/8インチの11山


代表的なメーカー

ブラットワース ・ サウスウエスト など。





5/8インチの11山(G−10エポキシ)

コグノセンティ ・ リチャードチュディ などのメーカーが

採用しているジョイントピンで、硬く軽いエポキシ樹脂で

作られているのが特徴。





ラジアルピン


代表的なメーカー

キースアンディー ・ サムサラ など。


接合面積が従来のジョイントピンに比べて、大幅に増えた

画期的なピンで現在もっとも注目されているジョイント形式。









★ おまけ


日本のトップメーカー2社の独自のジョイント。





株式会社アダムジャパン

Adam(アダム)


ツインジョイント

ネジが上下2段階に分かれていて速い脱着が可能。


ダブルジョイント

ネジが内と外の2箇所にある。


トリプルジョイント

「ダブルジョイント」と「ツインジョイント」を組み合わせたもの。





株式会社三木

Mezz(メッヅ)


ユナイテッドジョイント (UJジョイント)

通常のパイロテッドジョイントに見られる、ネジのピッチ間の

緩みを解消し、かつ接合部分がより多く出るように改良さた

もの。


ウェイビージョイント

雌ネジ側が雄ネジのネジ山により削られていくという欠点を

ネジ自体を波状にし、またネジの先端部にもうひとつネジ山

を設け木部に食いつくよう設計し、極力雌ネジ側の木を削ら

ないよう設計されたジョイントピン。

そして通常の木ネジ用ジョイントピンよりもピッチ間を細かく

することにより、木のやせが起きても緩むことなくしっかりと

ジョイントされる。









追記


5/16などの分数表示は、インチ単位でピンの太さを表し

その後に添えてある整数は、ネジ山の細かさで、1インチ

長の中にあるネジ山の数を表します。


また同じ表記のジョイント形式であっても、各メーカーによって

弱感の違いがあります。

(同じメーカーでも年式によって違う場合もある)